11月28日(日)
11月もあっという間に終わってしまうのか。青梅街道の銀杏も紅葉しているが、何本かはまだ緑色のままだ。暑い夏から一気に温度が下がって秋の期間の短さに戸惑っているんだろうか。家人たちが海外旅行に出掛けて、家中が静かだ。こういうとき、食事が面倒だ。思い切って、スーパーで食材を買ってきて料理を作ってみる。料理と言っても、ただちょっとしたものだ。うどんを茹でて、レトルトのカレーを掛けて食べたり、冷凍のチャーハンをフライパンに油を敷いて炒めたり、そんな簡単なものだ
。「ピリ辛!ビビンバチャーハン」は、これは旨い。こういうのは、味が濃いので誰がやっても失敗なんかしない。後は、卵焼きを作って乗せて、スープがあればいい。1人前だと200円も掛からないのか。ただ困るのは、チャーハンなど2人前だから食べすぎてしまうことだ。半藤一利【永井荷風の昭和】文春文庫を読んでいると、当時起こった大事件も深く関心がなかったようだ。永井荷風が亡くなったとき、半藤一利さんは週刊文春の記者として取材されていて、小さい棺のために荷風の脚は折れんばかりに曲げられたようだ。花一つも、愛用のベレエも、時計も、最後に読んでいた洋書も棺にはたずさえられず、浴衣がさかさまにかぶさられ、三文銭を入れた袋が胸のうえにおかれた。文豪の最後としては、さびしすぎる一瞬であった、と結んで書かれている。当時の事件を荷風の日記に照らし合わせていく作業も大変なことだが、これも誰かがやらないといけないことなのか。朝鮮半島がおかしなことになってきた。北が砲撃で軍人二人、民間人二人が亡くなった。200発で70、80発が陸に。今日、三重でトレーラーと送迎バスが衝突して六人が亡くなった。不謹慎な話だが、防空壕や非常時の訓練があったので意外と少なかったのか。人間の一生は分からないものだ。平和なところでも、それにフィリピンからの出稼ぎ労働者というのが哀れな気がする。こういう時代、荷風は日記になんて書くのだろうか。