12月26日(月)
銀行に寄って、振込み、多額の金がどこかに行ってしまった。いつかは一割増になって帰ってくるのを祈るばかりだが。手続きするとき、書き違ったが印鑑を持っていたので、どうにか手直し出来る。取りあっていた行員さんの笑顔だが引きつっていた。こんな忙しいときに、このオッサンと思われてしまったのか。新宿に行く。電車で偶然、古書会館に行かれるという盛林堂さんに会う。古書店の大変さなど聞く。
京王百貨店・新宿店での《歳末古書市》の会場、七階大催場に着く。正午前、オジサンばかりだ。知っている名前のブースから見て行く。これがいけなかった、端から順番にすればよかたかと、後で思う。購入したもの、草森紳一【鳩を喰う少女】大和書房、今、何かと関心のある人なので買う。マルセル・プルースト、窪田般彌:訳【楽しみと日々】薔薇十字社、薔薇十字社の文字を見ると不思議と手にとって見たくなる。実は、もう一冊、違うブースで見つけた薔薇十字社を持っていたが、廻っている内にどこかに置いてしまった。澁澤龍彦の本だが、これは値段もさることながら、実にキレイだった。木山捷平【酔いざめ日記】講談社、並んでいた本のなかにポツンとして別なものに見えた。840-、5,6回も確認してしまった。函はやけているが、初版、帯付き、中身もちゃんとしていた。荒俣宏【TV博物誌】小学館、同じブースに何冊もの荒俣宏があって、その中から1冊選ぶ。今回、五十嵐書店が、自分には一番危険な匂いがした。要するに本がキレイで安い本が多いということだが、500-以下の本がごろごろしていた。【私の製本装幀芸術の世界】求龍堂は、カラーの写真が美しく、定価が22000-が3000-だった。もっと、高いと思ったが安く抑えられているのか、こんなのが相場なのか。こういう本を手元置きたいのだが、お金がない、持って来ていませーん。精算する列が長いので、これを見てすくのを待ってしまった。文庫本、G・マクドナルド、吉田新一:訳【黄金の鍵】ちくま文庫、建石修志さんの装画が中に何枚も載っている。105-、デパートの催事でも105-があるのか。内田百聞、谷中安規:画【王様の背中】旺文社文庫、何冊か持っているが、キレイだったので購入する。文庫は、後ろのページに貼られた値段表をキレイに取るのが面倒だが、どうにかならないのかナー。古本先人に、このことを言ったら軽くあしわられたが、でも回りまわるのが古本と思うのだが、それに高い、安いもないと思うが。閉めて、2895-でありました。でも、高額な掛け軸なんか、お客さんがあっさりと購入するところを見ると、そういうもんだとも思う。お金があればだけど。一箱古本市でも、じっくりと端から端まで見ている人が買う確率は少なく、直ぐに欲しいものを手に取る人の方が買われる。会場を後にする頃には、オバサン、若めの男子もいた。
オバサン『全集を引きとってもらいませんか』、出店の腕章を付けた人『いやー、私は青森から来てますので、近場からの出店者に相談されたほうが』、よくデパートの会場で聞く光景だ。