6月21日(木)
いやー、もう六月も二十日も過ぎていたんですね。ひと月が早く感じたり、遅く感じたりですが、年を重ねるごとに総じて早く過ぎていく感じになります。四十代は転がるように、五十代は滑るように年月が経っていくとか言われますが、振り返るとそうなりますかね。おお、コワイ、コワイ。高橋睦郎【高橋睦郎の友達の作り方】マガジンハウス、という本を、またもパラパラ捲って見たら、何人もの友達の巻があり、最初が「三島由紀夫の巻」で、三島センセイとは只ならぬ仲なので読んで見ることにする。(三島由紀夫とは、生年月日が同じというだけだが、もとい月日が同じというだけだが)まあ、気に入るととことん可愛がってくれるようだ。そんなエピソードが書いてある。この本の最後に[いんでっくす]と題して、名前に登場する頁が書き込まれていて、三島由紀夫が断然多い。次に多いのが金子國義だが、その倍はある。三島とゆかりの「森田必勝の巻」もあったりする。この人とは、三回会っていると書かれて、河豚の刺身を食べながら、三島由紀夫が『―それでは一言。今日ここにいる森田必勝という男は、近いうちに死ぬかもしれないし、生きのびてつまらない老人になるかもしれない。しかし、とにかくいまここにいる二十五歳の森田必勝はある価値を持つ存在だと思う。そういういまの森田を誰かに記憶してもらいたいと思って来たが、高橋いがいにいないようだ。そこで今日は森田に、これまで俺も聞いたことのない生まれてこのかたの話をしてもらう。』と言ったが、うかつにもれいのおふざけだと思った、と書かれている。そして、二ヶ月後に決行されたようだ。「三島さんの生の根本原理がエロティシズムであり、自死がその昇華であるためには、二十五歳の若さ匂い立つ死が必須だったのだろう。」ウ~ン。友達の巻には、詩人、作家の順か、そして私が知らないだけの人も半分くらい載っているので、少しずつ読んでみるか。と、言いながら、読まないのだが。原弘、鮎川信夫、吉岡実、稲垣足穂、金子國義、四谷シモン、武満徹、永田耕衣など、読みたいなー。あと、あとがきにチャールズ・ラム[昔のなじみ顔]の日夏耿之介訳がいいと紹介されているが、長いので書くのをあきらめた。