昼過ぎ、会社に行く。
代々木から聾唖者のオバサンたちが乗ってきた。
5人もである。
私の隣に一人の人が座った。もう一人は、向かい側の
空いてる席、残り3人の人たちは出入り口に陣取る。
隣り座った人がさかんに手話を始める、出入り口の
一人の人に。手話、激しく手が動く、私が読んでいる本の
上もおかまいなく手が動く。ときどき、クゥーッとケェーッとか、
聞こえる。激しく、激しく手が動く。
市ヶ谷で降りて、振り返って車内を見ても同距離で
両者の手の動きは、慌しく続いていた。
市ヶ谷では、懐かしい音が響いている。
チンドン屋さんである。こちらは4人である。
どこかの開店だろうか、懐かしい賑やか音である。
その横では、大学入試センター試験の看板を持った
若者がじっとして佇んでいた。
夜、荻窪まで散歩に出る。
小雨が降っている。
小走りに駆けていたら、うどんとヨーグルトがのど元まで
あがってきた。気持ち悪い。
寒い。
そう言えば今日は、大寒だった。