6月1日(月)
もう6月だ。連日の雨模様から脱したようだが、月曜日、身体が調子悪い。頭と身体がバラバラな気分で仕事を。夕方ころに会社人の様になってくる。朝、読んでいた川崎精雄【山を見る日】中公文庫だが、帰りの電車では億劫になりかけていたころ、「井荻時代の尾崎喜八氏」というのがあって、あれーと思って読み進める。尾崎喜八なら知っているが、それよりも井荻という文字に驚いたのだ。昭和11年、尾崎喜八の家は東京女子大の近くにあり、道路を隔てて善福寺池畔の雑木林と記してある。木暮理太郎が尾崎邸に来られたので、急遽山行きを中止して、井荻(善福寺町)の尾崎邸に行ったことが書いてある。木暮理太郎を調べると日本山岳会会長などの役職に着いている人だから、登山家には相当に慕われていた人物なのだろう。筆者の川崎精雄が善福寺川の下辺に住んでいて、交流も多く、その辺の尾崎喜八のことを書いてある。奥さんがオルガンを弾いて、尾崎が歌う、庄野潤三夫妻のことを思い出した。それよりも驚いたのは、善福寺池畔から秩父の山々が見えると書いてあることだ。昭和11年の情況が分からないが、善福寺池畔はどんな環境だったのだろうか。私は、善福寺に引っ越してきた当初、日曜日の夕方、善福寺池畔を一回りしたのを日課にしていたが、今はさっぱり行っていない。武蔵野の台地から湧き水から始まる構造は、善福寺池も井の頭と同じだが、俗化されていない分だけ自然が残っていて鳥類など沢山見られる善福寺池の方が好きだ。家に帰って、部屋に入ると百合の花が一輪挿してあって、珍しいことなので花瓶を手に取った拍子に水がこぼれた。部屋を片付けなさいという意味あいなのだろうか。NHK教育TV「鉄道から見える日本」を見る。今日の第1回は、『鉄道紀行文学の巨人たち』、内田百閒、宮脇俊三、阿川弘之の三人が取り上げられていて、それなりに楽しめた。