11月23日(水・祝)
先日、この本を棚で見たとき、懐かしさがこみ上げてきた。読書していると、不思議なことに因縁を感じることがある。十数年前だろうか、何を思ったのか、カメラ、写真に興味を持った。そのとき、何気に手に取ったのが、この本、宮城谷昌光【海辺の小さな町】だ。青春小説だが、カメラ、写真も、大きな主題になっていて、こういう小説に、偶然めぐり会うことに驚いた。下記は、そのときの感想だが、ただ冷静に書いているが、読んだときは楽しかったことを覚えている。何しろ、カメラを本格的にやろうとしていただけに。
《カメラの最初》
大学生になり、父親がカメラを買ってくれて、それを持って海辺の小さな町の大学に来る。読んでいたら、カメラ、写真の話が多いので、慌ててあとがきを読んだら、《アサヒカメラ》に連載されていた作品であった。
カメラの基本から、賞に入賞するまでを物語として書いてあり、写真を趣味にする人など参考になることが分かりやすく書いてある。人物を撮るときは、こんなふうに撮ると良い、風景はこんなふうに、周りにカメラの先生がいて親切丁寧に教えてくれる。物語としても、面白く読める。
宮城谷昌光という方は、時代小説、中国物が有名で、『夏姫春秋』で第105回直木賞を受賞されている。何か、カメラ、写真とは関係ないようだが
、「五年間、寝ても醒めても、写真の事ばかり考えていた。ようやく年度賞に手がとどき、これでひとくぎりついた、とおもい、小説の道にもどった。」、とあとがきに記している。恥ずかしいことであるが、宮城谷昌光さんの本は、この一冊しか読んでいない。それにカメラを手に取ることさらなくなってしまった。
立川談志さんが亡くなったのか。何度か書いたが、何年か前、東西線に乗っていたとき、門前仲町から神楽坂まで、私の隣りの座席に座っておられたのだ。高座、テレビの印象と違って、『ここいいですか』、降りられるときも会釈されて、随分、礼儀正しかった。そのときの私の高揚感といったものが今でも忘れられない。高座は一回しか聴いたことがない。最後に見たのは、不忍BS・一箱古本市のときに根津の路上に人垣が出来ていて、その前でフリーマーケットのようなものをやられていた。テレビは、MXテレビ『談志・陳平の言いたい放だい』で野末陳平さんとの掛け合いの面白さを毎週見ていたナーー。合掌。